病気のはなし
胆石症
石原 扶美武
1
,
亀田 治男
1
1東京慈恵会医科大学第1内科
pp.194-199
発行日 1980年3月1日
Published Date 1980/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202010
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胆石とは
肝臓でできた胆汁は,胆道を通り腸に排出される.胆道には胆管と胆嚢とがあるが,胆汁の成分が固まって石のようになったものを胆石と言う.胆管は太さ8mm程度の細い管であるが,胆嚢はナスのような形をした袋で,胆汁は一時この胆嚢の中にたまって水分が吸収され濃縮されて再び胆管に排出される.胆石症は胆道疾患のなかで,病態的にも診療上にもその中心をなしており,日常しばしば遭遇する疾患でもある.
胆石に関する歴史は古く,紀元前約1,500年のミイラに発見されているし,Hippocratesも直接には記載していないが,胆石疝痛を示唆する症例について述べている.
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