今月の主題 胆道疾患—診療の実際
胆石症は増えているか
亀田 治男
1
,
西川 弘
1
,
石原 扶美武
1
,
秋庭 真理子
1
1慈恵医大第1内科
pp.158-160
発行日 1976年2月10日
Published Date 1976/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402206402
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はじめに
最近,胆石症について診療面での画期的な進歩がみられ,注目を集めている.そのひとつは,胆道造影法の進歩,とくにPTC・ERCPなどの直接胆道造影法の応用という診断に関するものであり,第2にはコレステロール系石の内科的治療としての胆汁酸,とくにケノデオキシコール酸療法にある.後者については,胆石生成機構の解明という基礎的研究の進展に裏づけされたものであることはいうまでもない.
さらに,日常の診療の間に気づくことは,最近胆石症あるいは胆石保有者が増えているのではないかとの印象である.しかし,これにはいろいろの因子を考慮しなければならない.年齢,性,地域,食事習慣,胆嚢造影法の普及,胆石の種類などである.これらの状態を明らかにしていくことは,胆石症の病態の検討にとどまらず,診療方針の確立や予防という点からも,有意義である.
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