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血液中に存在する糖類を血糖と言い,普通ブドウ糖が主成分であるため血糖と血中ブドウ糖は同じ意味にとられ,また血糖が食餌及び肝臓・筋肉中のグリコゲンに由来することは糖質の代謝で知られる.血液中の糖はCraude Bernard(1860年)により発見され,生理的意義づけが行われたが臨床的に意義が高められたのは臨床的に使用できる血糖の測定法をBang(1913年)が確立してからである.そして原理的に異なる測定法が次から次へと数多く開発され現在に至っている.血糖測定は臨床化学分野で歴史的に古く多くの変遷を経て著しい発展を遂げている.初期のころの測定手段としては重量測定法そして滴定法〜比色法〜自動分析法となり,測定形式も沈殿法〜還元法〜縮合法〜酵素法となった,また測定操作段階も3段階以上〜2段階〜1段階(直接法)となり,試料量も大量〜超微量と変化した.現在検査件数の最も多い項目の一つに数えられている血糖検査は糖尿病の診断,糖尿病のコントロールの適否のチェックなどに有力な手段として実施されている一方,低血糖症の発見,各種内分泌疾患の診断にも広く実施されて欠くことのできない検査である.したがって血糖の定量法は特異性,高感度,高精度,迅速性,簡易性,微量化そして多数検体処理能力の諸条件を満たすことのできる定量法が要求されていることは明白で,最近ではRefractance Meter,Dexter(Ames),Refromat(Böhringer Mannheim/BMY),Polamat S(Carl-Zeiss/日綿実業),Glucose Analyzer 2(Beckmann),YSI Glucose Analyzer(YSI/日科機),グルコライザー(第一科学/Ames/マイルス三共),Biostator Gluccse Analyzer(Miles Lab),グルコローダーS(シノテスト)などの測定機器が開発市販されているのが現状である.
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