技術解説
血糖定量法
春日 誠次
1
1関東逓信病院臨床検査科生化学
pp.289-293
発行日 1958年5月15日
Published Date 1958/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542905464
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
原理
ブドウ糖は,中性水溶液中では環状構造をしているが,アルカリ性になると環状構造がやぶれ,端在のアルデヒド基を生じ,従つて還元性をもつようになる。血中ブドウ糖(血糖)の定量にはこの性質を利用したものが多い。血液の除蛋白液をアルカリ性にし,之にCu⧺とか,Fe⧻とかHg+とかを含む試薬を加えて一定時間一定温度で加熱するとCu⧺ならばCu+,Fe⧻ならばFe⧺,Hg+ならばHgを生じ,その量は糖量に比例する。加熱を終つてから,それを定量することによつて,糖量を知るという方法である。この原理による血糖定量法は非常に多い。その除蛋白法,被還元性物質の選択,アルカリ度,などに問題がある為で,更に手早く出来るということも考慮されなければならない1つの要因である。
この他,ブドウ糖は硫酸と加熱するとHydroxymethylfurfuralを生じ,ここに適当な芳香族アルコールがあると,之とエーテル様に結合して発色するという性質がある。
Copyright © 1958, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.