Japanese
English
方法と装置
運動負荷(Master test)中の心電図のとり方
Studies on Electrocardiogram during Exercise.
細野 清士
1
,
春日 善男
1
,
中村 芳郎
1
,
島田 英世
1
,
荻野 孝徳
1
,
名越 秀樹
1
K. Hosono
1
,
Y. Kasuga
1
,
Y. Nakamura
1
,
H. Shimada
1
,
T. Ogino
1
,
H. Nagoshi
1
1慶応大学医学部内科学教室
1Dept. of Internal Medicine, School of Medicine, Keio University.
pp.45-51
発行日 1964年1月15日
Published Date 1964/1/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1404201283
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I.はじめに
心電図における運動負荷の影響は,1942年にMaster2)が循環効率の理論を応用した"Two Step Test"による方法によつて,はじめて検討して以来,現在までに多くの研究が行なわれて,臨床的に極めて有用とされていることは,周知の通りてある。しかしながら,これらの心電図記録は,すべて運動負荷後,安静仰臥位にもどつてなされている。これは,一つには,Masterが,行なつた運動負荷による脈拍,血圧の検討よりみた循環効率の理論より導かれたものであろうが,一方では技術的に負荷中心電図をとることが難かしかつたためと思われる。近年になつて,無線技術の進歩にともなつて,無線搬送による心電図記録装置,いわゆるラジオテレメーターが可能となりさらには,実用化の域に達するに及んだ。この場合は,標準12誘導における誘導法は,そのまま使うことが難かしいために,初期の研究の多くは,テレメーターの場合可能な誘導法で標準12誘導のパターンに似たものの検討を中心として行なわれ,加えて,種々の方式による運動負荷や姿勢による心電図上の変化が検討せられている5)。さらには,これらの基礎的研究に立脚して冠疾患患者の診断のため重用されていたMasterの階段昇降試験による運動負荷心電図も,従来行なわれていた負荷後のみの記録から,負荷中の記録にまで拡大されて検討されるようになつた。
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