技術講座 病理
凍結切片法—炭酸ガス法,クリオスタット法
油井 慎曄
1
,
小野 正道
1
,
川畑 久
2
,
櫛部 依子
2
,
栗原 恵都子
2
1国立埼玉病院
2国立東京第二病院病理科
pp.480-485
発行日 1978年6月1日
Published Date 1978/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201636
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凍結切片作製には,通常炭酸ガス法(ゲフリール法)やクリオスタット法などがあり,これらは,組織を薄切するために,パラフィンのような包埋剤を用いずに,組織内の水分を凍らせて適当な固さを与え,薄切する方法であるが,固定包埋段階において,熱や有機溶媒を通さないために,脂質や酵素反応などの染色に,あるいは神経系の膠細胞や神経線維の鍍銀法にも用いられ,特に手術中の患者の病変が組織学的に悪性のものであるか,良性のものであるか,または悪性でなくてもその所見の相違によって術式が異なる場合などの迅速性を要求されるときにも,これら凍結切片標本作製は不可欠のものとなっている.凍結切片標本作製のための炭酸ガス法,クリオスタット法(数種類のものがある)の理論的なことは,病理関係の成書に詳述されているので,今回はそれらの手順または手技上の具体的な問題点について記述する.
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