おかしな検査データ
コリンエステラーゼ—検査室でのミステリー
大場 康寛
1
1近畿大学臨床病理
pp.340-341
発行日 1978年4月1日
Published Date 1978/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201608
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順調にプロットされていたm-nitrophenol法1)のコリンエステラーゼのコントロールチャートが,ある日,突然地震計の記録のように大きく振動した,直ちに担当者が試薬,標準液,室温,採光の変動,比色計の不調,操作上のミスなど考えられる諸因子を,つぶさに洗っていったことは言うまでもない.しかし,どうしても原因がつかめないままに約1週間たって,そして何もなかったかのように平静にもどった.
1か月後,再び同じ現象に遭遇した.このときもいろいろ手を尽くしたが,原因は解明できなかった.それから数か月過ぎた.またもや出現である.多くの知恵を集めて検討したがお手上げとなり,ついに"この部屋,きっと雰囲気が悪いのよ!"などとあきらめにも似た冗談が飛び出す始末である.
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