知っておきたい検査機器
CPC装置
川越 裕也
1
1大阪大学輸血部
pp.334-339
発行日 1978年4月1日
Published Date 1978/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201607
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CPC(coil planet centrifuge)装置は日本で開発された赤血球抵抗試験の半自動機種であり1),コイル状細管内に浸透圧勾配をつけた塩類溶液を満たしたものに少量の血液をチャージし,公転自転を行う独特の遠心器によりしだいに低張側に血球を自動的に送り溶血させ,その溶血パターンより赤血球脆弱性を判定させようとするものである.この装置による赤血球抵抗試験には浸透圧抵抗性のほかに機械的抵抗性も関与し,独特の溶血曲線が得られ,赤血球膜の性状を反映することからこの検査法を赤血球膜物性検査とも呼んでいる.本装置はコイルチューブを惑星(planet)のごとく公転自転させる遠心器を本体とするためcoil planet centrifuge(CPC)と名付けられ,本体のほかに溶血パターンを記録する走査型光電比色計,コィルチューブに浸透圧勾配をつけた塩類溶液を半自動的に満たすグラジェンター,コイルチューブを封ずるコイルプレッシャー及びチューブの温度を調整するインキュベーターの5つの部分から成っている(図1).これらの個々の装置について原理とその操作法を実際に測定する順序に従って紹介する.
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