文豪と死
北村 透谷
長谷川 泉
1
1医学書院
pp.788
発行日 1977年10月1日
Published Date 1977/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201481
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北村透谷(1868〜94)は,数え年26歳の自殺であるから,その文学的生命は短期間に燃焼しつくしたといえる.同人雑誌「文学界」の思想的リーダーであり,時代に先んじて苦悩し,その苦悩に疲れて自らの生を絶った.
父は小田原藩の藩医であった.5歳の時,父母と上京した.青年時代の透谷は自由民権運動の闘士として活動したが,運動のための軍資金を獲得するための強盗決行を誘われた際,懊悩して頭を剃り,同士と訣別した.漂泊の旅を好み,トラヴェラーとあだ名されたこともあった.
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