技術講座 血清
免疫グロブリンの定量
吉岡 秀雄
1
1徳島大病院中検
pp.518-521
発行日 1977年7月1日
Published Date 1977/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201403
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1.免疫グロブリンの基本構造
免疫グロブリンという名称は,抗体活性を持つ血清タンパクを意味している.血清を電気泳動すると,これらのタンパクの大部分はγ-グロブリン領域に泳動される.このタンパクを最初はγ-グロブリンと呼んでいたが,1964年WHOによってImrnunoglobulin(免疫グロブリン)と命名されたもので,通常Igと略記されている.免疫グロブリンの単位分子は図1に示すごとく,4個のポリペプチド鎖から成っている.すなわち分子量約23,000のL鎖(Light-chain)が1対と,分子量50,000〜70,000のH鎖(Heavy-chain)1対が互いにS-S結合で連結されている.
H鎖にはそれぞれ特有な抗原構造γ,α,μ,δ,及びεがある.このH鎖の違いによってIgG,IgA,IgM,IgD,IgEの5つのクラスに分類される(図2).
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