技術講座 生化学
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片山 善章
1
,
花山 洋子
1
1愛媛大病院中検
pp.349-352
発行日 1977年5月1日
Published Date 1977/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201350
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肝機能検査法を機能別に分類すると,異物排泄能,胆汁色素代謝能,糖質代謝能,タンパク代謝能,脂質代謝能,血清酵素測定,膠質反応などに分けることができるが,膠質反応は現在の臨床化学検査においては,生体試料中の成分を正確な分析法で定量するという概念からは少し趣を異にしている.すなわち膠質反応の本態と言われているアルブミン,グロブリンの量的変化を混濁,沈殿反応でみるという通説から考えると,現在のように,特に血清タンパク分析法の進歩,その他上記に述べたような肝機能検査の分析技術が開発されている中では,それらで十分に反映されるものであるということである.しかし膠質反応の必要性の有無を問われると,種々の臨床的意義1〜6)が加味されて有用論に落ち着いてしまうのが現状であり,現在でもほとんどの施設が膠質反応を肝機能検査の一種目として利用しているゆえんである.
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