技術講座 血清
網赤血球数
溝口 秀昭
1
1東京女子医科大学内科
pp.515-518
発行日 1983年6月1日
Published Date 1983/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202782
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網赤血球とは
網赤血球はニューメチレンブルーやブリリアントクレシルブルーなどによる超生体染色で好塩基性に染まる顆粒状,あるいは網状の物質(subotantia granulofiamentosa)を有する幼若な赤血球である.図1に示すように骨髄中で赤芽球は脱核し,網赤血球になってから末梢血に現れてくる.骨髄内に35〜45時間,末梢血中に約24時間,ついで脾臓内で約24〜48時間あって好塩基性物質は消失し,成熟赤血球となる1,2).
好塩基性の物質は細胞質に含まれるリボソームとメッセンジャーRNAなどのRNAである.このRNAはこれから述べる超生体染色で網状あるいは顆粒状に染まる.しかし血液塗抹標本を乾燥,メタノール固定をしてからギムザ染色をすると,び漫性に好塩基性に染まって多染性赤血球として同定される.
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