測定法の基礎理論 なぜこうなるの?
造血と貧血
溝口 秀昭
1
1自治医大・血液学研究所
pp.257-260
発行日 1977年4月1日
Published Date 1977/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201323
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貧血は単位容積中の赤血球あるいはまたヘモグロビンが減少し,体の組織に十分な酸素を供給できない状態である.ヘモグロビン濃度の正常値は成人男性で16±2g/dl,女性14±2g/dlと言われる.普通,男性ではおよそ14g/dl以下,女性では12g/dl以下となると貧血があると考え,その原因を調べるのが常である.
貧血の原因を造血能から分けると表のようになる.このような分類は見慣れないものかもしれないが,貧血の診断を進めていくうえで役に立つ分類法である.本項ではこの分類の理解を助ける目的で,赤血球産生の機序,赤血球産生の指標となる検査法について述べることにする.個々の貧血については他の成書を参照されたい.
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