技術講座 血清
ゲル内沈降反応
岩田 進
1
1日大板橋病院中検
pp.115-117
発行日 1977年2月1日
Published Date 1977/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201278
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
抗原と抗体の反応形式には種々あるが,ゲル内沈降反応というのは,抗原抗体反応を寒天ゲル(またはアガロースゲル)内で行うことの総称である.
反応の媒体に寒天を用いる理由は,(1)地帯現象が起こりにくい,(2)数種の抗原を同時に同定できる,(3)定性及び定量法としても応用できる,(4)被検血清が混濁または溶血していても反応に影響することが少ない,(5)被検血清を不活性化する必要がない,(6)電気泳動の支持体としてもよい分離能を持っている,(7)被検血清と寒天自体の反応性や吸着が比較的少ない,(8)種々の染色法でも脱色がよい,(9)乾燥しフィルム状にしておくと長期に保存ができる,などである.
Copyright © 1977, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.