検査の昔ばなし
本に書いてあること,ないこと
吉利 和
1
1浜松医大
pp.622-623
発行日 1976年8月1日
Published Date 1976/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201139
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私が実際に臨床検査という仕事をやっていたのは,戦争直前,戦中,戦後のしばらくであったが,苦労という点では,いろいろの面のことがこったがえしていて,一緒に書くと何のことか分からなくなってしまう.その中で,現在と非常に違うこととして,臨床検査について書かれた本ということが挙げられてよかろうと思う.
当時は,日本語で書かれたものはもちろんなかった.ドイツ語で書かれたものには中にいい本があったが,それは主として,尿,糞便,穿刺液,一般細菌検査などについてのものであった.その内容はかなり充実したものであって,こういう一般検査について書かれたものは,むしろ今日行われているものよりも親切なことが書いてあった.
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