クローズアップ
佐竹幸子—千葉・葛南病院中央検査科主任
池田 政勝
1
1葛南病院中央検査科
pp.8-9
発行日 1975年1月1日
Published Date 1975/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200665
- 有料閲覧
- 文献概要
臨床検査ひとすじに
交通網の発達により日本は狭くなったと言われても,まだ地方から卒後上京して来る人は少ない.特に女性の場合,本人がその気になっても家族が反対することが多い.佐竹さんはその反対を押し切って友だち4人と上京して来た.技師という仕事を一生続けるのなら,指導者や仲間に恵まれている中央で……と思い決めたのだそうだ.
それから5年,いっしょに上京した仲間はそれぞれの理由で故郷に帰って行ったが,佐竹さんは反対に1973年より東京理科大学理学部Ⅱ部化学科に通学し始めた.仕事の内容を知れば知るほど,技師学校で習ったことだけでは満足できず,もっと基礎的な面から勉強し直してみたいと思うようになったという.検査助手の人が資格をとるために夜間の技師学校に通うのも肉体的にかなりのオーバーワークで大変なことなのに,ルーチンワークを行ううえで特別支障もないにもかかわらず新たに4年制大学へ進学するということは,なみたいていのことではない.現在の理科大学Ⅱ部には検査技師も多いが,なかには卒後他の職種に変わる人もいるという.その中にあって,あくまで検査技師を職業としていくためさらに勉学に励む佐竹さんの,仕事を大切にする姿勢と意志の強さに驚かされる.
Copyright © 1975, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.