おかしな検査データ
血清ビリルビン値の異常
小林 一二美
1
1順大病院中検
pp.49
発行日 1974年11月1日
Published Date 1974/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200619
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1.発 端
血清ビリルビンの緊急検査をAccu-Statシステムで実施しているが,最近試薬ロットが変わったところ次のような考えられないことが起こった.新旧ロットともコントロール血清はキット内にはいっており,前ロットのコントロールは4.9mg/dl,新ロットのコントロールは4.8mg/dlと表示され,わずか0.1mg/dlの差でしかないのに,呈色した紫色調が全く濃淡をはっきり区別できるように肉眼で認められたのである.
Accu-Statシステムは,このコントロール値を基準にしてモジュールの目盛り合わせをするわけであるから,前ロットのものを基準にすると従来のものよりはるかに低値を示すことになる.また新ロットを基準にするとこんどは非常に高値(4.9mg/dl→6.0mg/dl)を示してしまう.添付のcalibration control赤色色素液は前ロットで29mg/dlとして使用していたが,新ロットでは40mg/dlとなりモジュールの最大にまで達してしまった.
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