技術講座 生化学
検体の保存
野本 昭三
1
1信大病院中検
pp.60-61
発行日 1974年10月1日
Published Date 1974/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200598
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検査は診療のためにあるから,検体が長く放置されることは通常ないが,短時間に変化を受けやすいものとか,現実の条件で保存しなければならない場合は珍しくない.保存の知識は次のような時,特にたいせつである.
(1)目的成分がきわめて不安定で採取後そのままでは刻々変化が進むもの,(2)血清または血漿中の含量を目的とする場合で,血球の影響(血球内外の移行)によって変化するもの,(3)一定時間,試料を蓄積して検体とするもの,(4)特殊な検査で,そのつど測定することが困難なため,検体をある程度まとめて測定することが必要になる場合,または外部に検査を依頼する場合,(5)特殊な症例で,のちに広範な検討が必要と考えられる場合,(6)精度管理用試料として一定期間安定に保たなければならない場合,などである.
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