マクロとミクロ
甲状腺
佐々木 憲一
1
1中央鉄道病院中検
pp.6-7
発行日 1974年4月1日
Published Date 1974/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200412
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甲状腺は鰓性器官のひとつで,胎生第3週に現れ,臓器中で最初に生ずるものである.前腸の上方端すなわち咽頭の前壁に凸状の上皮索として出現し,咽頭壁を後方にはいり動脈管の近くに至る.その後気管の前端に止まり,胎生第4週の終わりに上皮索の後端が左右2葉に分かれ,また腺腔を生ずる.はじめ複合管状腺として発達するがやがて外分泌としての導管を失い内分泌としての構造が完成する.
甲状腺は赤褐色で,凹面を上方に向けた馬蹄形を成している.左葉,右葉およびこれを連絡する甲状腺峡部に分けられ,左右両葉は喉頭および気管上部の両側面に接している.その大きさは年齢,性,一般栄養状態などにより異なり,日本人では長径左2.6〜4.5cm,右3.1〜4.5cm,幅左右とも1.1〜2.0cm,厚さ左1.1〜2.5cm,右1.1〜2.0cmで,重量は男子18〜21g,女子16〜19gである.
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