技術講座 一般
十二指腸液
相賀 静子
1
1国立東京第一病院検査科
pp.70-71
発行日 1973年11月1日
Published Date 1973/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200305
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患者から十二指腸液を採取するのは医行為であり臨床検査技師の仕事ではない.しかし,検査を受けもつてまえ,採取する過程,十二指腸液とは何か,採取された内容物にはどんなものが含まれているかくらいは知識として知っておきたい.
十二指腸液を採取するのに患者は前日の夕食後から飲食物は禁止される.当日は早朝空腹時に60cm以上もある長いゾンデを30分から60分もかけて少しずつ飲み込まされる.通常私たちでも錠剤やカプセル剤を飲むのにあまりよい気持ちはしないが,それ以上に大きい金属球が先端についているゾンデを飲み込まされる.患者にとってはたいへんな苦痛をしいられ,そのうえ自分の体液(消化液)を採取されるのである.ときどきうまくゾンデがはいらずに涙を流しながら何回も何回も飲み直しをしているところを病室でみかけることがある.
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