マクロとミクロ
心臓
佐々木 憲一
1
1中央鉄道病院
pp.6-7
発行日 1973年7月1日
Published Date 1973/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543200182
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心臓は大きさが手挙大(長さ12-15cm,幅9-11cm,厚さ15-18cm),重量約280gの円錐形をなしており,前縦隔に位置し,心嚢に包まれている.心底と心尖に区別され,心尖は左第5肋間腔・左乳線上にあって外からその鼓動を触れることができる.
4室に分かれ右心房は上大静脈,下大静脈より還流してきた血液を受けて右心室へ送り込み,肺動派を介して小循環(肺循環)へ流し,左心房は左右肺静脈より酸素に富む血液を受けて左心室へ送り,大動脈を介して全身(大循環‐体循環)へと送り出す.この4室の形はそれぞれ異なっているが,その容積はほとんど等しい.右の房室間に三尖弁が,左の房室間に二尖弁(僧帽弁)があり,肺動脈弁,大動脈弁とともに血液の逆流を防いでいる.このように心臓は血液循環の中心で,ポンプの役割を果たしている.
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