病気のはなし
ハイド症候群
兼松 毅
1
,
松下 正
2
1名古屋大学大学院医学系研究科血液・腫瘍内科学
2名古屋大学医学部附属病院輸血部・検査部
pp.1188-1192
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104485
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Point
●大動脈弁狭窄症に,消化管血管異形成(angiodysplasia)に伴う消化管出血を合併したものを,ハイド(Heyde)症候群と呼ぶ.
●大動脈弁狭窄部位で生じる高いずり応力(shear stress)によって血液中のフォン・ヴィレブランド因子(VWF)高分子マルチマーが減少し,消化管をはじめとする各部位に血管異形成を生じると考えられている.
●消化管出血部位に対する外科的あるいは内視鏡的止血療法の効果は一時的で,VWF補充療法による止血効果も十分ではない.大動脈弁置換による原因除去が有効である.
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