増刊号 超音波×病理 対比アトラス
7章 消化管
3 胃癌(3型の進行癌)―80歳代男性
手島 伸一
1,2
,
鈴木 由美
1
,
前田 守
3
1同愛記念病院研究検査科
2湘南鎌倉総合病院病理診断部
3同愛記念病院外科
pp.1135-1138
発行日 2014年9月15日
Published Date 2014/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104472
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
症例の概要
80歳代,男性.食思不振,嘔吐,体重減少で受診した.超音波検査では胃幽門部の34×33mmの胃壁の腫瘤を認め,幽門部狭窄による内腔の拡張と多量の食物残渣がみられた.固有筋層と等エコーで粘膜下腫瘍,特にGIST(gastrointestinal stromal tumor,胃腸管間質腫瘍)が疑われた.胃生検では腫瘍細胞が得られなかったが,その後の内視鏡下穿刺吸引細胞診で腺癌細胞がみられ,胃癌の診断のもとに幽門側胃切除が行われた.
◎病理診断
3型胃癌,中分化管状腺癌,35×30mm,SS(壁深達度が固有筋層を越えているが漿膜下組織にとどまるpT3),int(癌の間質量が中間にあるもの),INFb(浸潤増殖状態が中間にあるもの),ly1(リンパ管侵襲が軽度),v1(静脈侵襲が軽度),N0(リンパ節転移を認めない0/4),PM0(近位断端に癌浸潤を認めない),DM0(遠位断端に癌浸潤を認めない),幽門側胃切除標本.
Copyright © 2014, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.