増刊号 超音波×病理 対比アトラス
5章 心臓
2 アミロイドーシス―60歳代女性
田中 道雄
1
,
常深 あきさ
1
,
高野 誠
2
,
江里口 貴久
2
,
辰本 明子
2
,
手島 保
2
1東京都立広尾病院検査科
2東京都立広尾病院循環器科
pp.1059-1061
発行日 2014年9月15日
Published Date 2014/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104448
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症例の概要
60歳代,女性.呼吸苦を主訴に来院し,急性心不全の診断で救急入院.胸部X線では両肺野の高度うっ血,著明な心拡大を認め,心電図では異常Q波(V1~4),心室性期外収縮の多発,肢誘導の低電位を認めた.心エコーでは,心室壁厚の増加,心室中隔を主体とする輝度の亢進,拘束性のパターンが認められた.冠動脈造影は正常,左室圧および右室圧は拡張期にdip and plateauを示した.右室心内膜心筋生検でアミロイドの沈着を比較的多量に認めた.免疫電気泳動でλ型軽鎖増加,血中γグロブリンは増加なく,Bence-Jones蛋白陰性.胃十二指腸生検でもアミロイド沈着がみられ,全身性ALアミロイドーシスと診断した.化学療法を施行するも,心不全の悪化を主体に,約9か月の経過で死亡.
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