増刊号 超音波×病理 対比アトラス
4章 リンパ節・唾液腺ほか
3 唾液腺導管癌―60歳代男性
森永 正二郎
1
,
中嶋 純子
2
,
林 規隆
2
,
茂木 章子
2
1北里研究所病院病理診断科
2北里研究所病院臨床検査科
pp.1037-1039
発行日 2014年9月15日
Published Date 2014/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104441
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症例の概要
60歳代,男性.咳を主訴として来院した.血清CEAが13.2ng/mLと上昇しており,CTでは肺にスリガラス状陰影(ground glass opacity,GGO)が認められた.ところがPETを施行したところ,肺のGGOには有意な所見はなく,右耳下腺にFDG集積を示す腫瘤が見いだされた.超音波検査で悪性腫瘍が疑われ,穿刺吸引細胞診で悪性と判定されたため,左耳下腺全摘術が施行された.切除組織は唾液腺導管癌と診断された.多形腺腫の成分は認められず,de novo癌と判断された.なお,肺のGGO病変に関しては,後に手術が行われ,耳下腺腫瘍とは無関係な原発性肺腺癌と診断された.
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