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ヒトパピローマウイルス(HPV)ワクチン(子宮頸癌予防ワクチン)と副反応
山岸 由佳
1,2
,
三鴨 廣繁
1,2,3
1愛知医科大学病院感染症科
2愛知医科大学病院感染制御部
3愛知医科大学大学院医学研究科臨床感染症学
pp.8-11
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104136
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ヒトパピローマウイルス感染症とは
ヒトパピローマウイルス(human papillomavirus,HPV)には100種類以上の型があり,皮膚に疣贅を引き起こす皮膚型と,性器周辺に感染する粘膜型(約40種類)に大別される.粘膜に感染するHPVのうち,少なくとも15種類(16,18,31,33,35,39,45,51,52,56,58,59,68型など)が子宮頸癌などの悪性腫瘍症例で検出され,これらは「高リスク型HPV」と呼ばれている.特に子宮頸癌では90%以上でHPVが検出され,約65%は16型または18型である1).
高リスク型HPVは性交渉によって感染し,子宮頸癌以外に,中咽頭癌,肛門癌,腟癌,外陰癌,陰茎癌などにも関与している2).子宮頸部の細胞に異常がなくても,10~20%の女性がHPVに感染しているという報告もあり,また,海外では性交渉歴のある女性の50~80%が生涯に一度はHPVに感染するとも報告されている1).HPVに感染しても,90%以上の場合,2年以内にウイルスは自然に排出されるとされているが,ウイルスが自然排出されず,数年から数十年にわたって持続感染した場合には,癌に進展しうることが報告されている.
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