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輸血用血液における病原体不活化技術の現状と新規技術の開発
岡田 義昭
1
1国立感染症研究所血液・安全性研究部
pp.4-7
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104135
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はじめに
輸血用血液は,問診に加えて,病原体の血清学検査法とウイルス遺伝子を高感度に検出できる核酸増幅法の導入によって感染症の発生頻度は急激に低下したものの,スクリーニング法の限界や検査が実施されていない病原体などの感染リスクが存在する.そのため,輸血の安全性を確保するための対策として,病原体の不活化法が検討されるようになった.現在のところ,血漿製剤と血小板製剤の病原体不活化法が実用化され,欧州の一部の国や地域で導入されている.しかし,輸血用血液で最も使用量が多い赤血球製剤では,実用化された方法はない.
本稿では,輸血用血液の不活化法の現状と問題点について述べる.
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