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MPV,P-MFVの活用
西郷 勝康
1
,
礒野 雪妃
2
1姫路獨協大学薬学部医療薬学科健康管理学講座
2加古川西市民病院臨床検査室
pp.1178-1179
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104099
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血小板(platelet,PLT)のサイズは不均一であり,また,疾患・病態によって変動することが知られている.PLTサイズの指標として,血球計数器では平均血小板容積(mean platelet volume,MPV)が用いられ,その計測には従来電気抵抗法が用いられているが,近年ではフローサイトメトリー法でも同様の数値が算出されるようになっている.
PLT生成のメカニズムは確立されていないが,巨核球が放出するといわれるproplateletや,実験的に中間段階として認識されるpreplateletは,いずれも成熟PLTより大きい1).実際,PLT産生が亢進している状態〔ITP(immune thrombocytopenic purpura)など〕ではPLTサイズは大きくなる.また,骨髄異形成症候群(myelodysplastic syndrome,MDS)でも大型PLTの出現がしばしば観察される.MDSでは,PLT mass(MPV×PLT数)が大きいほど予後良好である可能性も示されている2).また,大型PLTは機能的にも強力であることが示されており,MPVの大きな冠動脈疾患患者では抗PLT剤に抵抗性を示しやすく3),予後因子としても有用である4).
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