技術講座 生化学
持続グルコースモニター検査―当院検査部における外来CGMの運用
小野 佳一
1
,
大竹 奈都子
1
,
鈴木 淳史
1
,
蔵野 信
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.1134-1140
発行日 2013年11月1日
Published Date 2013/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104084
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新しい知見
当院では,CGM(持続グルコースモニター:continuous glucose monitoring,CGM)パラメーターから自己血糖測定(self monitoring of blood glucose,SMBG)の有用性と限界点を考察した.
①平均的な血糖コントロール状態を示す指標には,HbA1c(hemoglobin A1c)〔本稿におけるHbA1cは2012年4月に標準化されたNGSP(national glycohemoglobin standardization program)値で表示する〕やグリコアルブミンが用いられるが,肝硬変や腎不全などがある患者においては,正確に血糖コントロール状態を示しているとはいい難い.そこで,SMBGパラメーターと,CGM検査から算出した平均血糖値を比較したところ,複数回のSMBG測定値の和,特に各食前のSMBG値の和が最もよく平均血糖値を反映していた.
②一方で,血糖変動については,SMBGでは実際の血糖変動幅を十分に反映できているとは言いにくく,またSMBGでは捉えられない夜間早朝の低血糖の存在も約2割の患者でみられた.以上は第60回日本臨床検査医学会学術集会(2013年,神戸市)で発表する予定である.
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