Laboratory Practice 〈免疫・生化学〉
even check法によるリアルタイム精度管理
畑中 徳子
1
1天理よろづ相談所病院臨床検査部
pp.1082-1086
発行日 2013年10月1日
Published Date 2013/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543104072
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はじめに
診察前検査が導入されリアルタイム精度管理の必要性が高まっている.生化学検査においては,一定時間または一定検体数ごとに管理血清を測定し管理しているが,リアルタイムというわけではない.また,CEA(carcinoembryonic antigen)などの免疫学的測定法では1測定当たりのコストが高いことから,生化学検査のように反復して管理血清を測定することは少なく,リアルタイムはなおさら難しい.
本稿で取り上げるeven check法(real-time Δ value distribution even check法)は,患者検体の前回値との差の分布をリアルタイムにモニタリングし,分析中に起こりうる測定状態の変化をいち早く捉えようする方法である.even check法は分析中の患者測定値を用いるという特徴から,リアルタイム精度管理および免疫学的測定法における試薬lot間差の管理の2点に応用することが可能である.以下に,この2点について述べる.
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