特集 超音波検査の技術と臨床
Ⅰ.基礎
2.新しい手法
9)リアルタイム・パノラミックビュー(SieScapeTM)
春名 芳郎
1
Yoshiro HARUNA
1
1シーメンス ウルトラサウンド ジャパン株式会社マーケティング部
pp.1252-1254
発行日 2001年10月30日
Published Date 2001/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542904915
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はじめに
超音波診断は非侵襲性とリアルタイム性による有用性から多種部位の検査にて行われている.しかしながら狭い視野(FOV:field of view)という短所をもつために他のモダリティからの画像と比べて診断画像としての客観性に欠けてしまう.
1970年代に販売されていたコンパウンドBモード超音波診断装置の1つには機械的関節式アーム(ロボットアーム)があり,先端にプローブを取り付けることでその位置と傾きを検出し,X線コンピュータ断層撮影(CT)や磁気共鳴イメージング(MRI)などと同様な広いFOVを描出していた.ロボットアームの届く範囲内であればFOVに制限なく広範囲な断層画像を描出することが可能であった(図1,2).これは今日多用されているリアルタイム超音波診断装置にて表示可能なFOVの範囲(方位方向)が5~6cm程度であることを考えると,非常に客観性に富んだ画像を提供していたといえる.しかしその反面,診断に十分といえる程度の画質と簡便性において欠点をもち合わせていた.
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