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はじめに
平成22年(2010年)度の診療報酬改定は,救急,産科,小児,外科などの医療の再建・病院勤務医の負担軽減を重点項目の一つに挙げ,その対応として医師事務作業補助体制加算の評価の充実,多職種からなるチーム医療の評価が,項目の一つとして掲げられた.
さらに平成24年(2012年)度の診療報酬改定でも,重点課題の一つとして急性期医療などの適切な提供に向けた,病院勤務医などの負担の大きな医療従事者の負担軽減が挙げられ,病棟薬剤師や歯科医師などを含むチーム医療の促進が掲げられている1).
厚生労働省のチーム医療の推進に関する検討会報告書(2010年3月19日)1)によると“チーム医療とは,医療に従事する多種多様な医療スタッフが,各々の高い専門性を前提に,目的と情報を分担しつつも互いに連携・補完し合い,患者の状況に的確に対応した医療を提供すること”と解説されている.
現在チーム医療の一員として臨床検査技師が携わって活動しているものに,感染症管理チーム(infection control team,ICT),栄養サポートチーム(nutrition support team,NST)そして糖尿病療養指導などがある.これらは,平成24年度に新たに認められたものを含めすべて加算項目として保険収載できるため,多くの施設が積極的に導入を図っている.
さらに病院内を見渡すと,臨床検査技師がチーム医療に参画している分野が他にも存在する.当院で行っている業務は,手術室での術中神経モニタリングや不整脈のカテーテルアブレーション治療である.十数年前までは,測定機器の性能や技術的なこともあり,術中神経モニタリングはほとんど行われていなかった.実施していた施設でも,専門の医師が自ら実施していたものにすぎなかった.しかし,近年手術種類の多様化に安全な手術操作の追求が加わり,件数が激増してきている.そのため,診療科のモニタリング専門の医師だけでは対応しきれなくなり,臨床検査技師が手術室に入りモニタリングに従事する施設が多くなってきている.
本稿では代表的な術中神経モニタリングについて簡単に説明し,臨床検査技師がどのようにチーム医療の一員としてかかわっているのか述べることにする.
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