Laboratory Practice 〈輸血〉
―安全な輸血実施のために―日赤血液センターの体制⑤―血液センターにおける溶血性輸血副作用を防止するための検査
佐藤 進一郎
1
,
石丸 健
2
,
髙本 滋
1
1日本赤十字社北海道ブロック血液センター
2日本赤十字社血液事業本部
pp.1272-1276
発行日 2012年10月1日
Published Date 2012/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103736
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はじめに
輸血用血液の安全性はスクリーニング検査技術の進歩によって極めて高いものになっている.しかし,輸血は他人の血液成分を患者に投与することから,溶血性副作用,アレルギー反応,感染症など多様な副作用を起こすことがある.これらの輸血副作用のうち死亡原因となるのは,ABO不適合輸血による溶血性輸血副作用,輸血関連急性肺障害(transfusion related acute lung injury,TRALI),輸血後移植片対宿主病(graft-versus-host disease,GVHD),細菌汚染血液の輸血などがある.本稿では,溶血性輸血副作用とそれを防止するために実施している血液センターの血液型検査について述べる.
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