技術講座 生理
フローボリューム曲線―【前編】基礎理論と臨床的意義
鈴木 範孝
1
1国保旭中央病院診療技術部中央検査科
pp.792-797
発行日 2012年9月1日
Published Date 2012/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103639
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新しい知見
フローボリューム曲線(以下,V-V曲線)の測定と研究は以前から試みられていた.1950年代初頭にDaymanの初期の研究を先駆けに,FryとHyattがより臨床に直結した研究へと発展させた.しかし,この検査法が末梢気道病変の早期検出に利用できる可能性を示唆したのは,1967年にMeadらの提唱した等圧点理論が最初である1).1977年にはDawsonとElliotによりwave speed flow理論が発表され現在に至っている.最近の新しい技術では,これらの理論の応用として自転車エルゴメーターを使用して運動時のflow-volume loopを測定し,1回換気ループの呼気終末肺気量位(end-expiratory lung volume,EELV)の変位から吸気量(inspiratory capacity,IC)を計測し,気流制限による呼吸困難を伴う慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease,COPD)の動的肺過膨張と慢性心不全などでみられる運動耐容能評価がリハビリテーション医学や呼吸器臨床で試みられている.
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