病気のはなし
血管炎
永井 立夫
1
1北里大学医学部膠原病・感染内科学
pp.676-681
発行日 2012年8月1日
Published Date 2012/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103605
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サマリー
血管炎は,全身のさまざまな血管の血管壁に炎症が生じ,血流が障害されることによって起きる疾患の総称である.血管炎は,Chapel Hill分類により傷害を受ける血管のサイズに基づいて分類される.小型血管炎のなかで,顕微鏡的多発血管炎・Wegener肉芽腫症・アレルギー性肉芽腫性血管炎は,抗好中球細胞質抗体(anti-neutrophil cytoplasmic antibody,ANCA)という共通の自己抗体と関連するため,“ANCA関連血管炎”と呼ばれる.診断は,各疾患の診断基準に基づき,臨床症状や一般検査,ANCA,画像検査の結果からなされるが,確定診断には病理組織学的所見が必要となる場合がある.治療薬は,副腎皮質ステロイド剤が主体であるが,重症例には積極的なシクロホスファミドの併用が推奨される.
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