今月の主題 血管炎とその臨床
血管炎をめぐって
安倍 達
1
1慶大内科
pp.2040-2041
発行日 1979年11月10日
Published Date 1979/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216269
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血管炎の概念とその変遷
血管炎は病理組織学的には血管壁のフィブリノイド壊死を伴うものであるが,血管壁を場とする変性,浸出,細胞浸潤,肉芽形成,器質化などの変化を呈する炎症性病変をさしている.しかもそれら炎症性病変は必ずしも単一の病因によるものではなく,異なる病因でも同じような血管炎が惹起されてくる.また,これとは逆に,同一病因で出現する血管炎でも,病期が違うと,病理組織学的に違った表現形式を呈することがある.
したがって,血管炎は概念的には理解できても,その実態となると非常に漠然としており,それ自身が病気である血管炎と,他の病気にみられる組織表現としての血管炎とがあり,両者は区別して考えなければならない.
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