技術講座 生理
シリーズ 乳房超音波検査・3
正常乳房の超音波解剖とそのバリエーション
佐久間 浩
1
1株式会社ソノグラファーズ
pp.189-196
発行日 2012年3月1日
Published Date 2012/3/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103469
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新しい知見
乳癌をはじめとする乳腺疾患の超音波診断学は,この20年間で目覚ましい進歩を遂げた.しかし,正常乳房の超音波解剖に関しては当初より確立されたものがあり,それを大幅に塗り替えるものはあまりない.それでも,諸学者はさまざまな角度から研究を重ね,確実にその歩を前に進めている.ごく初期では,乳腺は均質な高エコーを呈すると考えられ,内部に斑状の低エコーを認めた場合は“乳腺症”という疾患名が当てはめられた.しかし,この斑状低エコーは正常例でもみられることがまもなくわかった.そして近年では,その低エコーは乳管と小葉を取り巻く間質であるということが確認されている1).
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