技術講座 血液
トロンビン生成試験
松本 智子
1
,
嶋 緑倫
1
1奈良県立医科大学小児科学教室
pp.1138-1144
発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103385
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新しい知見
プロトロンビン時間(prothrombin time,PT)や活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastin time,aPTT)などの凝固検査はCaCl2添加後,フィブリノゲンが不溶性フィブリンに変換され,凝固するまでの時間を測定する.一方,トロンビン生成測定試験(thrombin generation test,TGT)はフィブリン形成の前段階で産生されるトロンビンを測定する試験で,測定系自体は古くから確立されていた古典的な測定法である1).近年,蛍光基質法を用いた自動化システムの導入でリアルタイムの測定が可能になり,TGTは凝固機能を反映する検査として再評価されている.本測定法は,出血傾向のみならず,血栓傾向の評価,さらにさまざまな疾患における凝固および抗凝固療法のモニタリングとしても有用である.
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