今月の主題 血小板・凝固・線溶系の分子マーカー
凝固
トロンビン生成マーカートロンビン・ATIII複合体
斉藤 正典
1
,
松田 保
1
Masanori SAITO
1
,
Tamotsu MATSUDA
1
1金沢大学医学部第三内科学教室
キーワード:
トロンビン形成
,
トロンビン・ATIII複合体
,
酵素免疫測定法
,
DIC
,
凝固亢進状態
Keyword:
トロンビン形成
,
トロンビン・ATIII複合体
,
酵素免疫測定法
,
DIC
,
凝固亢進状態
pp.1608-1613
発行日 1989年11月15日
Published Date 1989/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542914182
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血液凝固反応において,トロンビンの生成は凝固活性化を示す証拠となる.生じたトロンビンは血中のアンチトロンビンIII (antithrombin III;ATIII)により中和され,トロンビン・ATIII複合体(thrombin-ATIII complex;TAT)を形成するため,TATの証明はトロンビン生成のよい指標となる.ごく最近,サンドイッチ法に基づく酵素免疫測定法を用いたTAT測定法が開発され,臨床上に利用されつつある.TATは凝固亢進状態を鋭敏に反映するため,DICをはじめとする血栓症および血栓準備状態の診断に有用であり,今後この測定法がさらに臨床面において応用されることが期待される.
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