オピニオン
目に見えぬ危機
佐守 友博
1,2,3
1日本医学臨床検査研究所
2日本臨床検査専門医会
3株式会社エスアールエル
pp.530
発行日 2011年7月1日
Published Date 2011/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103188
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2011年3月,東日本を襲った大地震はマグニチュード9.0というこれまでに経験のない揺れと,直後の想像を絶する巨大津波をもたらした.その被害たるや筆舌に尽くせない.
天災に引き続く二次被害とも言えるが,制御不能となった原子力発電所からの放射能汚染は,“想定の枠を超えた天災が原因と言い訳している人たち”が起こした人災の様相を呈してきている.五感でわかる地震や津波と違い,目に見えない放射能は,正しい情報なくして防ぎようがない.いや,正しい情報があっても防ぎきれないかもしれない.世界唯一の被爆国であるわが国で起きた被曝事故,世界中の人知を結集して対処しなければならない.
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