Laboratory Practice 〈病理〉
超音波内視鏡穿刺吸引細胞診検査(EUS-FNA)の実際―ベッドサイドにおける細胞検査士の役割
米田 操
1
,
白石 泰三
1
1三重大学大学院医学系研究科腫瘍病理学講座
pp.126-129
発行日 2011年2月1日
Published Date 2011/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543103058
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はじめに
超音波内視鏡穿刺吸引細胞診検査(endoscopic ultrasound-guided fine needle aspiration,EUS-FNA)が十二指腸・膵領域の検査に応用されるようになり,同部位の腫瘍性病変の早期診断に重要な役割を果たしている1,2).当院では,細胞検査士がベッドサイドに出向いて標本作製をする,いわゆる出張細胞診を行っている.
EUS-FNA時に得られる検体は,個々の症例によってさまざまな外観を呈する.これらを肉眼的に探索して,検体の性状ごとに,あるいは同一検体でもどの部分を選択的に採取するかにより適正細胞採取率が決定する.EUS-FNAにおいて細胞検査士が行う最も重要な役割は,穿刺針から排出されるさまざまな検体の中から肉眼的に細胞塊を見つけだし選択的に採取して,Diff-Quik標本,Papanicolaou標本,セルブロック標本に診断できる細胞を塗抹することである.
本稿では,EUS-FNA時におけるベッドサイドでの役割について,標本作製,細胞所見を中心に解説する.
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