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DIC病型分類
朝倉 英策
1
1金沢大学附属病院高密度無菌治療部
pp.765
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102946
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- 文献概要
播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation,DIC)における著しい凝固活性化は共通病態であるが,線溶活性化の程度は基礎疾患により異なる.
凝固活性化は高度であるが線溶活性化が軽度なDICは,敗血症に合併した例に代表される.線溶阻止因子(plasminogen activator inhibitor,PAI)が著増して線溶抑制状態となり,多発した微小血栓が溶解されにくく微小循環障害による臓器障害が高度になりやすい.この病型を「線溶抑制型DIC」と言う.凝固活性化マーカーであるトロンビン-アンチトロンビン複合体(thrombin-antithrombin complex,TAT)は上昇するものの,線溶活性化マーカーであるプラスミン-α2-PI複合体(plasmin-α2-PI complex,PIC)は軽度上昇にとどまる.また,微小血栓の溶解を反映するフィブリン/フィブリノゲン分解産物(fibrin/fibrinogen degradation products,FDP)やDダイマー(D dimar)も軽度上昇にとどまる.
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