増刊号 免疫反応と臨床検査2010
VI 血液
A 血球
1 血小板の免疫学的測定
近藤 弘
1
1大東文化大学大学院スポーツ・健康科学研究科
pp.946-947
発行日 2010年9月15日
Published Date 2010/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102928
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血小板の免疫学的測定とは
血小板数の測定法には視算法,自動血球分析法,免疫学的フローサイトメトリー法がある.自動血球分析装置の校正は,他の血球計数項目と同様に,国際的な認証標準物質を特定できないため国際常用基準分析法を規定し,各メーカーはこの分析法で値づけした新鮮血液を用いて基準となる装置の校正を行い,この基準分析装置で校正用血球製品を値づけしている.2001年,国際血液学標準化委員会(International Council for Standardization in Hematology,ICSH)と国際検査血液学会(International Society of Laboratory Hematology,ISLH)は,血小板数の国際常用基準分析法として,それまでの位相差顕微鏡と計算板を用いる視算法に加えて,免疫学的フローサイトメトリー法(ICSH/ISLH法)を規定した.これは蛍光色素(fluorescein isothiocyanide,FITC)で標識したCD41抗体,CD61抗体を血小板膜糖蛋白GPIIb/IIIa複合体に存在する二つの異なるエピトープに結合させて,フローサイトメーターで検出する特異性の高い測定法である.ICSH/ISLH法は,希釈操作や視算によるばらつきが影響する視算法に比べて,正確性,精密性に優れており,校正のための値づけのほかに,血小板数低値検体の正確な測定,自動血球分析装置における正確性の評価などに有用である.
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