技術講座 生化学
―ホルモンの測定シリーズ・8 副腎系:1―副腎皮質刺激ホルモン(ACTH),迅速ACTH試験,コルチゾール,尿中遊離コルチゾール,デキサメサゾン抑制試験
小田桐 恵美
1
1東京女子医科大学病院中央検査部臨床検査科
pp.1365-1370
発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102671
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新しい知見
多くのホルモンは免疫化学的測定法(immunoassay;イムノアッセイ)により測定されている.約50年前,IRI(immunoreactive insulin)のラジオイムノアッセイ(radioimmunoassay,RIA)によりホルモンのイムノアッセイはスタートした.現在ほぼ90%がnon-RIにより測定され迅速,大量検体処理が可能となっている.しかしながら,ホルモンは使用しているキットにより測定値が異なり値の共有化ができないことが長年指摘されてきた.サブクリニカルクッシング症候群の診断基準にコルチゾール値の判定が必須であるが,コルチゾールのキット間差が診断不能の症例を多く生み出し問題となっている.ここ数年,産業技術研究所と日本臨床検査標準協議会(Japan Committee for Clinical Laboratory Standards,JCCLS)との産学共同で多くのホルモン測定の標準化が検討されてきた.コルチゾール測定の標準化も実資料系で検討が進められており,ほぼ最終段階に入っている.今後,標準化されたコルチゾールキットの供給が待たれる.
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