Laboratory Practice 〈生化学〉
MDA-LDLの測定法
伊藤 雅子
1
,
駒形 美穂
1
,
草野 達郎
1
,
鈴木 由紀子
1
,
小谷 一夫
2
1株式会社エスアールエル免疫化学部
2積水メディカル株式会社
pp.1330-1332
発行日 2009年10月1日
Published Date 2009/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102663
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はじめに
平成19年度国民健康・栄養調査では,糖尿病が強く疑われる人と糖尿病の可能性が否定できない人の合計は推定2,210万人と報告されている.糖尿病にはさまざまな合併症があるが,その原因となる動脈硬化は比較的早期に起こり,直接命にかかわる脳梗塞や心筋梗塞のリスクを高める.
動脈硬化性疾患の原因の一つとして,酸化された低密度リポ蛋白質(low-density lipoprotein,LDL)が中心的な役割を果たすことが明らかになった.酸化LDLは,不飽和脂肪酸が酸化を受けて生じる多彩な物質の総称であり,代表的な脂質過酸化産物であるマロンジアルデヒド(malondialdehyde,MDA)によりアポBが修飾されたLDL(MDA-LDL)は,動脈硬化の形成と進展に深いかかわりを持つことが報告されている1).このMDA-LDLは,冠動脈疾患既往歴のある糖尿病患者における冠動脈疾患の予後予測マーカーとして有用であり,2008年6月に保険適用された.
本稿では血清中MDA-LDLの測定キット,酸化LDLエライザ「第一」(積水メディカル)の基礎性能検討について報告する.
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