増刊号 顕微鏡検査のコツ―臨床に役立つ形態学
II 微生物検査
総論
5 薬剤の影響
1 抗菌薬
菅野 治重
1
1医療法人社団徳風会髙根病院内科
pp.922-926
発行日 2009年9月15日
Published Date 2009/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102554
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はじめに
抗菌薬は作用機作から細胞壁合成阻害剤と蛋白合成阻害剤に大別される.表1に主な抗菌薬の分類を示した.抗菌薬が細菌に有効な場合は,抗菌薬投与によって細菌は殺菌されて溶菌し,塗抹検査では検出できなくなる.しかし抗菌薬投与後も変形した細菌が検体中に持続的に認められる場合があり,特に細胞壁合成阻害剤のβ-ラクタム系抗菌薬投与例では著しい細菌の形態変化がみられる.このような症例では細菌が抗菌薬に抵抗性を示していると判断されるため,治療薬を作用機作の異なる抗菌薬に変更する必要がある.以下に主な抗菌薬による細菌の形態変化について解説する.
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