疾患と検査値の推移
ABO不適合造血幹細胞移植―血液型関連を中心として
岸野 光司
1
1自治医科大学附属病院輸血・細胞移植部
pp.1331-1336
発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102294
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はじめに
造血幹細胞移植は,白血病などの腫瘍性血液疾患や重症再生不良性貧血を含めた難治性造血器疾患における根治的治療法として行われている.ドナーからの造血幹細胞移植の際は,主要組織適合抗原(major histocompatibility complex,MHC)であるヒト白血球型抗原(human leukocyte antigen,HLA)の一致が生着に最も重要であり,拒絶,移植片対宿主病(graft-versus-host disease,GVHD)などの移植免疫反応へも大きく影響している1).しかし,レシピエントとドナーのABO式血液型の適合は,造血幹細胞生着には関係していない.
本稿ではレシピエントとドナーとの間にABO式血液型の不一致が認められるABO不適合同種造血幹細胞移植にかかわる血液型関連を中心に述べる.
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