技術講座 生化学
―臨床化学応用技術シリーズ・1―臨床化学に必要な応用技術総論
大澤 進
1
1九州大学大学院医学研究院保健学部門
pp.1221-1225
発行日 2008年10月1日
Published Date 2008/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543102266
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はじめに
臨床化学検査は検体検査の大部分を占める検査分野である.その種類は多彩で検体提出数も大量である.ほとんどの検査は生化学自動分析装置で測定され,臨床検査技師一人が受け持つ検査項目数も約20項目以上であることから,担当技師が検査法の原理や扱う装置の機構を十分に理解できていないことが多い.
一方,日常検査における試薬と自動分析装置は一定の技術水準に達していることから,測定上の技術的問題点も特例的な事例を除けば,ほぼ良好である.本シリーズでは臨床化学分析法にかかわる吸光分析の基礎的な原理や技術に関する知識を整理して,若い臨床検査技師が新しい検査法を開発できることを一つの目的にした.また,自らが担当している検査法の原理について理解できること,そして臨床検査技師が新しい生体情報を検査室の現場から発信できる能力を身につけることで本質的な検査室の価値が向上することを期待したい.
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