トピックス
血小板由来マイクロパーティクル
野村 昌作
1,2
1市立岸和田市民病院血液内科
2関西医科大学
pp.84-87
発行日 2008年1月1日
Published Date 2008/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101982
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はじめに
血小板が刺激を受けると,活性化反応に伴って微小な膜小胞体が遊離されてくることが知られている.この膜小胞体は,細胞の内部顆粒や膜性微粒子,および機械的破壊によって生成された膜のフラグメントを含み,血小板由来マイクロパーティクル(platelet-derived microparticles,PDMP)と呼ばれている1).PDMPは主に凝固を促進する物質として働いているが,最近はそれ以外にもいくつかの機能を持っていることが判明しており,特に白血球と血管内皮細胞の接着を亢進させる働きが重要である2).またPDMPは糖尿病,急性心筋梗塞,尿毒症,播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation,DIC)などの血栓性疾患において検出され1),血管病変のメカニズムを考えるうえで最も注目されている物質の一つである.本稿では,PDMPについて最近の文献を紹介しながら解説したい.
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