けんさ質問箱
血糖管に用いるNaFについて
菊池 春人
1
1慶應義塾大学医学部臨床検査医学・中央臨床検査部
pp.1392-1394
発行日 2007年11月1日
Published Date 2007/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543101924
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Q.血糖管に用いる NaFについて
NaF(フッ化ナトリウム)の解糖阻止効果は採血後2時間過ぎてから現れると本に書いてありましたが,それではどのような処理をすると最もよいでしょうか.当院では外注のため採血後遠心のみで血漿分離はせずに遠心した状態で出しています.当日,集配に間に合わなかったときは冷蔵庫に入れておき翌日出していますが,①遠心しないほうがよいのか,②血漿分離して保存したほうがよいのか,教えてください.(東京都 Y.M.生)
A.菊池春人
はじめに
まず,「血糖管」,「解糖」という言葉のなかの「糖」という言葉ですが,現在では通常グルコース(ブドウ糖)だけを指し,血糖=血漿中グルコースと同義に使われていて,本項で考えるのはグルコースについてであることを念のため確認しておきたいと思います.一方,英語での医学用語では通常blood(plasma)glucoseであり,blood sugarという言葉はあまり用いられていません.日本語でも本来血中(血漿中)グルコースとしてこのことを明確にしておいたほうがよいと思われますので,本項でも基本的には「グルコース」という言葉を用いることとします.
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